血液中にグルコースが一定濃度ないと困るワケ 〜赤血球の機能停止、そしてミトコンドリアの機能不全へ〜

そもそもなぜ、血中にグルコースが一定濃度存在しなければならないのでしょうか?

一つ目の理由は、『血液中の赤血球はグルコースしか燃料として使えない』からです。

赤血球には、ミトコンドリアがないので、ミトコンドリアを使わない非効率なエネルギー産生方法しかありません。そのため、グルコース供給が途絶えると赤血球は機能停止し、酸素を運べなくなるので呼吸も出来なくなります。

二つ目の理由は、『グルコースがさまざまな化合物の材料にもなる』からです。血中のグルコースの枯渇は、DNAやRNAといった核酸のほか、エネルギー産生で使う部品の材料でもあるのです。

血中にグルコースが一定濃度存在しなかったら、エネルギー産生に必要な酸素をカラダのすみずみに運べなくなります。そして、そもそも細胞自体が作れなくなり、ミトコンドリアもエネルギー産生工場としての機能を失います。

それは、すなわち生命体にとって『死』を意味します。

だから、カラダは何としても血糖値を維持しなければならないのです。