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数日間何も食べなくても生命活動が停止しない理由 〜グルコースが血中に一定濃度で存在し続ける仕組み〜

グルコースは生命体にとってエネルギー産生の原料です。血液中に溶け込んだグルコースの濃度を『血糖値』と呼んでいます。血中にグルコースが一定濃度存在しなかったら、赤血球やミトコンドリアの機能が停止し、生命体は『死』ぬしかありません。だから、カラダは何としてでも『血糖値』を上げようと、まず肝臓のグリコーゲンを分解しグルコースを供給します。

しかし、肝臓に貯蔵されたグリコーゲンは半日~1日で枯渇します。では数日間何も食べなくても生命活動が停止しないのはなぜなのでしょうか?

答えは、グルコース以外の化合物からグルコースを作るのです。グルコースが一定濃度で存在し続けるシステムのことを『糖新生(とうしんせい)』といいます。そして糖新性の主役は、アミノ酸です。糖新生に使われるアミノ酸のことを『糖原性アミノ酸』と呼び、18種類あります。

糖新生は、肝臓で行われます。糖新生に使われるアミノ酸は、ある程度は肝臓にストックがあるので当面はそれを使います。しかし、食事由来のアミノ酸や糖質の供給が長い間ストップしているような飢餓状態では、それも枯渇します。血糖値の維持は、アミノ酸が頼みの綱なので、主に筋肉のタンパク質の分解によってアミノ酸を供給するようになります。

筋肉のタンパク質の分解は、健康な状態からフレイル、そして要介護へ移行する過程に影響を与えます。

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