汚染された温泉で増殖している細菌
〜レジオネラ症にご注意を〜

レジオネラ症は細菌感染症です。レジオネラ菌は、自然界(河川・湖水・温泉や土壌など)に生息しています。

病型は
①重症の肺炎
または
②軽症の発熱・筋肉痛
です。

①重症の肺炎は、レジオネラ肺炎と呼ばれます。けん怠感・頭痛・食欲不振・筋肉痛などで始まり、咳や38℃以上の高熱・寒気・胸痛・呼吸困難が見られるようになります。まれに心筋炎などの肺以外の症状が起こることもあります。また、意識レベルの低下・幻覚・手足が震えるなど症状や下痢がみられるのもレジオネラ肺炎の特徴です。

② 軽症の発熱・筋肉痛は、過去の集団感染事例から地名を冠してポンティアック熱と呼ばれています。突然の発熱・悪寒・筋肉痛などの症状がみられますが自然に治癒します。

レジオネラ菌に汚染された冷却塔水・加湿器や循環式浴槽からエアロゾルを吸引したり、温泉浴槽内や河川で溺れた際に汚染された水を吸引・誤嚥して感染した事例が報告されています。

汚れや"ぬめり"を落としてレジオネラ菌が増殖しやすい環境をなくすことが大切です。

レジオネラ症の潜伏期間(感染してから症状が出るまでの期間)は、2〜10日です。

レジオネラ肺炎では、早期に診断し、早期に抗菌薬治療を開始することが重要です。レジオネラ症を予防できるワクチンはありません。