内臓脂肪はアナタの敵なのか? 〜脂肪細胞が放つ“メッセージ”が 食欲をコントロール〜

メタボリック症候群は、突然死も招く動脈硬化や心筋梗塞、さらには糖尿病などの病気を引き起こします。メタボリック症候群の診断では、腹囲が男性85cm/女性90cmを超えている必要があります。腹囲は内臓脂肪の蓄積を反映します。そのため、あたかも内臓脂肪は、動脈硬化や糖尿病の要因になるただの悪者のように扱われます。

脂肪は無数の生きた『脂肪細胞』が集まったもので、食事からとった糖や脂質を中性脂肪として蓄える「油滴」と呼ばれる貯蔵袋を持っています。内部に脂肪が蓄えられるにつれて、脂肪細胞はどんどん膨らんでいきます。つまり、『脂肪細胞』は、「エネルギー貯蔵庫」のような細胞なのです。

最近の研究で内臓脂肪には、「エネルギー貯蔵庫」という役割のほかに、『食欲を抑える』役割があることが分かってきました。

脂肪細胞の内にはレプチンというホルモンがあります。健康な人の体内では、脂肪細胞に中性脂肪が蓄えられるにつれて、レプチンが脂肪細胞から放出され、血液に乗って全身をめぐり脳の視床下部に運ばれます。すると、脳は「もう食べなくていい」と判断し、食欲を抑える指令を伝えるのです。こうして、レプチンの働きによって、私たちの食欲は適切にコントロールされています。

健康な人の体内では、内臓脂肪は、レプチンを分泌することで、実は『食欲を抑える』役割を果たしているのです。

一方で、肥満があると、脂肪細胞に中性脂肪が蓄えられてレプチンが分泌されても脳の視床下部にうまく作用せず『食欲が抑えられない』と考えられています。

どうやら、肥満がない人ではレプチンがうまく作用するので太りにくく、肥満がある人ではレプチンがうまく作用しないので太りやすいということのようです(^_^;)。

糖尿病・脂質異常症・高血圧などでお悩みの方は、まずはきよしクリニックにお越しください。