日本では、狂犬病の発生が長らくありませんが、海外では狂犬病の危険があります。
狂犬病ウイルスは、犬以外の哺乳類にも広く分布しています。日本の狂犬病ワクチンの供給量は十分でないため、2006年にフィリピンで咬傷を負い、帰国後発症して死亡した2名が相次いで報告された際には大幅な品薄状態となりました。その後も慢性的な供給不足が継続しています。
曝露前接種・曝露後接種とも、日本のスケジュールと国際標準との間には差異があり、渡航直前に短い期間で接種を済ませたい場合に 日本のスケジュールは不都合であったり、海外で曝露後免疫を開始して帰国した際に互換性が懸念されたりすることがあります。また、高度曝露時の予防や治療に用いられる抗狂犬病免疫グロブリン製剤が日本では承認されていません。