破傷風について

予防接種

破傷風について

破傷風とは

破傷風は、破傷風菌が産生する毒素によって、口唇や手足のしびれや口が開けにくいといった神経症状を引き起こし、治療が遅れると全身けいれんを引き起こし死に至る感染症です。
破傷風菌は全世界の土壌中に広く分布し、おもに傷口についた土などから感染します。特にアフリカ、東南アジア、中南米などの途上国では、ワクチンの不足や不適当な傷の手当などが原因で患者が多く発生しています。
日本では、三種混合ワクチン(ジフテリア・百日咳・破傷風)と二種混合ワクチン(ジフテリア・破傷風)の定期接種が実施され、患者数は減少しています。患者の年齢分布は、若年層では予防接種を受けているため少なく、一度も予防接種を受けていなかったり、ワクチンの免疫が消失した高齢者層で多くなっています。
前回の接種から10年以上経ている人は、1回の追加接種をお勧めします。

1.病原体

破傷風菌(Clostridium tetani)。グラム陽性の嫌気性菌で、胞子の形で土壌中に広く分布しています。

2.感染様式

破傷風菌が、傷口についた土などから体内に侵入し感染します。
傷口に木片や砂利などの異物が残っていると、破傷風は発病しやすくなります。

3.症状

潜伏期間は通常3日~3週間で、平均4~7日ごろから、口を開けにくい、首筋が張る、寝汗をかくなどの症状があらわれます。しだいに口が開けにくいといった硬直感が出て、手足にもこの異常感覚が広がり、この時点で診断が遅れたり抗毒素が注射されなければ、腹部を突き出すように全身を弓なりにけいれんさせて、約4割(新生児で8割)が死に至ります。

4.治療方法

発病した患者には破傷風免疫ヒトグロブリンの血清療法を行います。さらに傷口の消毒や気道確保、抗けいれん剤の投与を行います。

5.予防方法

○破傷風トキソイドワクチンの接種。
予防接種が最も有効な予防方法です。(6を参照)

○けがに注意すること。
旅行者では、裸足で川遊びなどをしたり、誤って物を踏んだときに足に傷を負ったり、運動中や交通事故、動物にかまれてけがを負ったときなどに、感染が多くみられます。日常けがをしないよう心がけ、傷を負ったときは、まず水で傷口を洗い流し消毒します。破傷風菌は空気に触れない状態を好む菌で、傷口がふさがると増殖するので、不用意に傷を閉じたりせずに早めに医師に相談して下さい。
途上国の不衛生な医療施設では、歯医者での抜歯や出産や手術などで感染することがあります。長期滞在の場合、安心できる医療機関を確認しておきましょう。

6.破傷風の予防接種

日本では、小児期に三種混合ワクチン(DPT:ジフテリア・百日咳・破傷風)の定期接種が実施されています。1回では十分な免疫ができないので、乳幼児期にまず3回接種し、さらに追加接種を1回します。(Ⅰ期)さらに長期にわたる免疫をつけるために、小学校高学年から中学校で、(Ⅱ期)二種混合ワクチン(DT:ジフテリア・破傷風)を1回追加接種します。
(Ⅰ期は生後3ヶ月~1歳までに3回接種、1年~1年6ヶ月後(6ヵ月後から可能)に追加接種を1回、Ⅱ期は11~12歳に追加接種1回)
前回の接種後10年を過ぎた人は、追加接種が望まれます。
(11~12歳で破傷風を接種後、10年が過ぎた20歳前後の大学卒業時(就職前)が追加接種の目安になります。)
また犬や動物にかまれたときは、狂犬病ワクチンとともに破傷風ワクチンが必要となります。交通事故や不衛生な外科手術で破傷風ワクチンが必要となることもあります。
参 考:旧ソビエト連邦からの独立国や東欧諸国では、現在ジフテリアが流行しています。このような国へ渡航される方は、二種混合ワクチン(DT:ジフテリア・破傷風)の追加接種が有効です。

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